【講演会聴講】食のまちづくり講演会でウェルビーイングのお話を聴いてきました。

 先日2022年6月4日(土)に小浜市が主催の「食のまちづくり講演会」を現地(御食国若狭おばま食文化館)で聴講してきました。昨年11月にもシンポジウムがありましたが、食のまちづくりを考える機会が定期的にあることはとても素敵なことですね。
 今回は、昨年度末に小浜市の第4次小浜市食育推進計画として策定された「食のまちづくり計画」の紹介と、小浜市食育推進会議委員でウェルビーイングの専門家であられる高野翔氏による「ウェルビーイングを起点としたまちづくり」と題した講演がありました。

 弊社事業の核となるプレイス(PLACE、居場所)という考え方を深めるのにも重要な考え方で、これからのまちづくりでプレイスと並んで重要だと感じているウェルビーイングについての話ということで、小浜市でもぜひウェルビーイングを基点にしたまちづくりを進めてほしいなと思い、そこに関わっても行きたいなと思いました。

あなたは、どんな時に幸せを実感しますか?

 ウェルビーイングの定義を紹介する前に、ということで「あなたは、どんな時に幸せを実感しますか?」という投げかけがあった。「個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」などの定義はあるが、自分にとっての価値観で判断して、どれだけ幸せを実感しているかが重要であると高野先生はおっしゃっていた。

指標をつくることで測ることができるようになる

 哲学として個々人の幸せを追求するだけでなく、政策として地域や国の幸せを実現しようとしたブータンで経験されたGNH(国民総幸福量:Gross National Happiness)の調査では、統計で測るだけではなく?9領域33指標にも及ぶ環境要件を基に、個々人に約2時間半かけて148の質問をするほど丁寧に実施し、調査データを取集するらしい。福井での「未来の幸せアクションリサーチ」では、主観的な幸せに焦点を当て、県内から多くの意見を集めAIなどを用いて、福井人の幸せ分類を150もの指標に整理しているらしい。幸せを感じるときだけでなく、不幸せに感じるときなども聞くなど様々な角度から分析をしたようだ。

 高野先生からはポイントが二つ挙げられた。まず、他者・外部要因による客観評価だけでなく、自己・内部要因による主観評価も大切ということ。二つ目は、問われることの重要性で、(質問者が)聞くことによって聞かれる側(回答者)も幸せについて考える機会になるということ。食のまちづくり計画でも数値目標による量的評価に加えて、質的評価も加えて進めていくらしく、これからの食のまちづくりを推進していくのにも、調査手法も含めてとても参考になる内容だった。

 これも講演で教えてもらったことだが、国連が図る世界幸福度報告では、人々の主観的幸福(主観的ウェルビーイング)を測定する方法として「生活評価」と「感情」の2つを概念枠組みとして採用しているらしい。「生活評価」は「一人当たりGDP」と「健康寿命」の2指標(客観要因)、「感情」は「社会的関係性」、「自己決定感」、「寛容性」、「信頼感」の4指標(主観要因)で測る。測った結果をどう活かしていくかも、これから経験を積み重ねていく必要がありそうだ。

まちに居場所と舞台を!

 「ウェルビーイング×まちづくり」というテーマでは、「まちに居場所と舞台を!」ということを大切にしているとお話しいただき、これはまさにプレイスメイキングと重なるところで、ウェルビーイングの観点からもプレイスメイキングの有用性、有効性が説明できることを改めて実感させて頂けた。

 前述のアクションリサーチでテキスト分析をしたところ、幸せを表す表現で、最も多く出てきた言葉は「おいしい。」だったそうだ。食のまちづくり計画で目指す小浜市の将来像としてのウェルビーイングとして捉えられている「食で人々の幸せと地域の豊かさが実感できるまち」の実現に寄与するためにも、食を基点とした取り組みを自社事業や協働事業、受託事業など、様々な形で実現していければと感じる機会となった。

 最後に、「健康」という言葉も大切だが、これは明治時代から使われている言葉らしく、「養生」という言葉もウェルビーイングに近い概念であること、養生七不可がウェルビーイングの本質をつかんでいることを教えていただいた。ここらへんからも小浜ならでは、ひいては若狭ならではのウェルビーイングの取組が展開できるかもしれない。妄想の芽はいくつも芽生えた。さて、この妄想が日の目を見る時が来るのかどうか。。。