おばまにあ#1

and PLACE(アンドプレイス)代表の髙野哲矢です。今回は、私たちが拠点にしている小浜市の紹介(自慢)をさせて頂きたいと思います。小浜の深い魅力をたくさんの人に知ってもらいたい、遠そうに思われがちだけど少しでも身近に感じてもらいたい。そんな思いを込めて、はい!「おばまにあ」シリーズ始めます!


おばまを満喫するためにまずは、会ってほしい!

 都市デザインでも観光でも、地元の「人」こそが大切だとずっと思っています。でもそれを表に出してくのはなんだかんだいろいろ難しい。それでも、小浜に住んでる人にも小浜に来た人にも、自分が小浜を案内するなら「ぜひ会ってほしい!」人たちを紹介していければ。今は我慢の時だけど、また気軽に旅行できるようになった時には、小浜の「人」に会いに来てほしい(できればその時は僕もご一緒したいです!)。

 第一回目に紹介するのは、佐助さんの森下さん!こんな時だから会いには行けず、電話で元気そうな声が聞けて嬉しかった。話を聞くと民宿の方はやはりお客さんは全然来ておらず、それでもこんなときこそ発酵食である「へしこ」を味わってほしいともおっしゃってた。

佐助の森下さん

 小浜市東部、若狭湾に面した田烏(たがらす)地区で民宿「佐助」を営む森下 佐彦(もりした すけひこ)さんは、若狭地方の伝統食である鯖のへしこ、なれずしを作って40年以上にもなる大ベテラン。地元の人にはお馴染みの「へしこ」や「なれずし」も、外の人が食べる機会はそんなに多くないんじゃないかと思うが、若狭の四季と風土によって育まれている発酵食(保存食)をたくさんの人に知ってもらいたい。

 「へしこ」とは、魚のぬか漬けのこと。へしこ作りやなれずし作りは江戸時代から始まっていたといわれ、今は作る家庭も減っているが、昔は各家庭でも作られていたらしい。森下さんのへしこの材料はいたってシンプル。国産の鯖と塩、ぬか、それに鷹の爪。余計なものは入れない。冬の間に鯖を糠と塩で仕込み、1年以上樽の中で発酵させて出来上がる。田烏ではその「へしこ」を使ってさらに発酵させた「なれずし」をつくる。それが古くから田烏に伝わる伝統的な作り方だと、森下さんは教えてくれる。

 田烏には森下さんのへしこ蔵がある。蔵見学では、「へしこ」と「なれずし」づくりの工程を紙芝居を使って丁寧に解説してくれる。この紙芝居をぜひ体験してもらいたい。森下さんのお茶目な一面も垣間見ることができるはず。できれば民宿で鯖尽くしコースも味わってもらいたい。田烏に来たらはずせない一品の小浜よっぱらいサバの刺身も超絶品!

森下さんの愛情たっぷり詰まった「鯖のへしこ」

 「なれずし」の紹介も。元々、年の瀬の伝承料理で「へしこ」をさらに水洗い、塩出しして、麹と米を混ぜて鯖の中に詰め、約2週間漬け込み、米麹の発酵作用でより熟成させる。「鯖のなれずし」は、寿司のルーツとされていて、古代ずしとも言われている。2006年、スローフード協会国際本部(イタリア)から食の世界遺産と呼ばれている「味の箱舟(地域と人々の生活に結び付きながらも、消えていく恐れのある伝統的料理・食材)」の一つに認定されている。この「鯖のなれずし」も食べたことがない人には是非食べてもらいたい。

 「へしこ」や「なれずし」のことを多くの人に知ってもらいたい、親しんでもらいたいという想いで、森下さんにはまちづくり小浜が主催する観光客向けの体験ツアーや「なれずし作り教室」など色々な場面でお世話になっている。ローカルラーニングツアーでも毎年お世話になっている。それだけでなく、森下さんは地元の小学生への体験授業などの食育や後進育成にも積極的に取り組んでいる。

 今なら「へしこ」(年中ふとした時に食べたくなるけど)、冬になったら「なれずし」。森下さんのお話を聞いて、人柄に触れると、ただでさえ美味しい「へしこ」と「なれずし」がさらに美味しく感じる。小浜は食のまち。食(の文化)を支えるのは作ってくれる人といただく人。感謝を込めてありがたく、いただく人として森下さんに会いに、佐助さんでまた鯖尽くしコースを食べに行くのを楽しみに。

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