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【登壇】JSURPシンポジウム『パブリック・ライフ・ダイアログ』に登壇しました

 JSURP(日本都市計画家協会)が2026年6月20日(土)に開催したシンポジウムに、代表の高野哲矢が登壇いたしました。『パブリック・ライフ・ダイアログ~パブリック・ライフのこれからを展望する~』のテーマで開催され、自身も所属するパブリック・ライフ研究会の一員として、第1部の活動報告、第2部のディスカッション・対話でパネラーとして登壇しました。

 第1部での活動報告では、研究会の前身での「公共空間の質研究部会」の活動時に整理し、まちなか広場賞でも審査基準として活用した指標の紹介をさせていただきました。そして、昨年秋に開催した『パブリック・ライフ展』、今年春に開催した『パブリック・ライフ・キャラバンin三島』の様子を報告しました。

 第2部ではモデレーター、パネラーが簡単に自己紹介しながら、パブリックライフを見る視点やこれからの展開を考えるための問いを投げかける形で参加者との対話の時間が始まりました。高野からは、パブリック・ライフを都市計画・まちづくりの概念として留めるのではなく、都市計画以外の諸計画等においてもベースとなる考え方として認識されるべき概念であると仮定して、対象となる人数的・空間的性質と個々のつながりの性質の違いでパブリック・ライフを捉え直していくことで、各種計画が担うべき目的などとの関連性が見えてくるのではないか。それはウェルビーイングの対象領域を捉える「I-WE-SOCIETY(-UNIVERSE)」の考え方とも照らし合わせて考えることで、様々な関係性のもとでパブリックライフを語ることができるのではないか。ということを投げかけさせていただきました。

 ディスカッション全体としては、都市の「寛容性」、可動式家具による空間の「可変性」、市民が空間を平和的に「取り返す」手法とその「補助(線)」の引き方、ウェルビーイングとの相関による捉え方の広がり等、多岐に渡る視点が出てきました。以下に簡単にですが、ディスカッションの要点をご紹介します。

  1. パブリックライフの多様な側面:いわゆる人の多さによる「賑わい」だけでなく、社会の周縁にいる人々等を受け入れる「寛容性」がこの概念には含まれている。また、その質は人口密度だけで測れず、知人との遭遇頻度やコミュニティの関係性も重要である。
  2. 空間の「可変性」と「余白」:可動式の家具や作り切らない設計・デザインによって、利用者が能動的に場を作り、利用・活用できる「可変的」な空間・場を生みだす可能性が広がる。また、「見る/見られる」関係性が都市的なふるまいを形成することが多いことも空間・場の質に影響してくる。
  3. 参加を促す仕掛け:市民が平和的に空間を「取り返す」アプローチや、小さなテーブルなど物理的な「補助」が有効に働く場面がある。地方部のような人口規模が小さい場所では、空間的要素だけでなく、不動産・家賃・業態誘致など「集まる動機」のデザインの影響も大きい。
  4. マネジメントと運営:「場のオーナー」や「世話人」による軽やかなマネジメントが利用の立ち上がりに寄与する。理論だけでなく、まず実践してみることで共感が広がり、自発的な仕組みづくりに繋がることが期待される。
  5. パブリックライフを高める「ケア」等の視点:これからの公共空間には、一方的な支援ではない、相互に存在を認め合う「ケア」の視点が不可欠である。また、「ケア(福祉)」は地域性問わず重要になる視点であり、地域ごとにさらに掛け合わせが期待される視点があることも意識しておきたい。
  6. 事業化の課題:パブリックライフの価値を行政にも理解してもらい、事業化するには、定量・定性評価のジレンマがある。評価指標の項目を増やすことよりも「筋(ストーリー)と大義」を地域文脈で共創し、アウトカム・インパクトを説明することが重要になるのではないか。
  7. 発注とチーム体制:単発の事業(業務)ごとの発注を超えて、計画から事業化・制度設計まで伴走できる分野横断のチーム体制を組んでいくことが重要になっていく場面が各地で出てきている。

 今回のダイアログで、参加者の方からの問いかけもいただきながら対話を通じて、研究会で今後議論を深めていく新たな問いも生まれました。貴重な機会を設けていただいたJSURP関係者の方々に感謝です。また、新たな報告もしていけるように引き続き、活動に取り組んでいければと考えています。